【書評】運を支配する(3)

準備不足を運のせいにしない

桜井会長
「準備、実行、後始末」でワンセットであり、その循環をちゃんとすれば、次の「準備、実行、後始末」に綺麗につながっていく。
 準備が万端であっても、実行の悪い要素が潜んでいることはいくらでもある。だが、準備というのはそんなことも想定した上でなされるべきなのだ。準備をあれほどちゃんとしたのにといって運のせいにしてしまえば、その人の成長はそこで止まってしまうのである。
藤田社長
想像することを軽く考えていないか
以前、深夜にタクシーを呼んでずっと待たせていた社員を滅多に怒らない僕が強い口調で叱ったことがありました。
またレストランに団体の予約を入れていて、前日になって平気でキャンセルした社員も同様に叱ったことがあります。
タクシーやレストランの人とはもう二度と会わないと思っているかもしれませんが、そういう姿勢は必ず他のところでも表れます。そして自分でも気づかないうちに他人の恨みを買って、運気を下げていくのです。
この件は、この本で私が一番すきなところです。準備の大切さは言うまでもないことです。零戦の撃墜王で有名な坂井三郎氏も準備の大切さを説いており、パイロットに大切な能力は視力であると考えて、視力が上がるように遠くを見る練習を重ねて、ついには昼でも星を見られるようになったと言っています。

また、昨今はITエンジニアが非常に需要の高い職業になっていますが、できるエンジニアは土日に勉強している人がほとんどです。それにも関わらず仕事では上手くいかないことも、ままあるわけで、改めて「どういった準備をしておくべきなのか」ということを考えさせられます。

人や立場によって態度を変える人がいますが、私はそういった人を見るたびに馬鹿だなと思います。因果応報という言葉があるように、いつかその人自身に返っていくものです。そういったことを大会社の社長である藤田さんが発言してくれるとは、世の中はまだまだ捨てたものじゃないと思います。



負けない一番手の条件

桜井会長
一番でいることに囚われすぎず、相手のことも考えながら全体をいいほうへ引っ張っていける一番手こそ、真に優れた勝者なのである。
藤田社長
一人勝ちは損をする
当初先方は真似されたとカンカンに怒っていましたが、結果的には競い合いながら市場はどんどん大きくなり二社とも売り上げを伸ばすことができたのです。
目先の利益に惑わされて、仕事の成果を独り占めしようとする人がいます。ところが、こういう人は次第に周りから嫌われて、誰も協力してくれなくなります。短期的には「得をした」「儲かった」とその人は思っているかもしれませんが、長い目で見ると、信頼を失い、非常に損をすることになるのです。
なかなか自分自身が一番になった経験がないので、難しい話だとは思いましたが、仕事においても、他人あっての自分というのは常に心掛けていきたいと思います。

不調こそ、我が実力

桜井会長
調子がいいとすぐ浮かれて「これが元々の自分の実力なんだ」と思い上がるのに、逆に調子が悪いと「いや、これは本来の自分の出来ではない」と素直にその事実に向き合わない。
私は「不調こそ、我が実力」と思うようにしている。そう思っておけば、実際調子が悪いときでも余裕が生まれる。
藤田社長
つまり普段自分で感じているよりは少し下あたりに自分の基準を置くのが、ちょうど座りがいいように僕には思えるのです。
調子とはいつもブレているものだと思いますが、常に二人の言葉を意識して謙虚に生きていきたいと思います。

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